医師の仕事におけるさまざまな苦労

医師は学会や勉強会に出て常に最新の知識を学んで仕事をしているエリートというイメージがあります。開業医院だと儲かっていないのかと患者から思われると困るので便利な立地、綺麗な建物の方が腕が良く流行っていると思われがちですので無理をします。都会になるほど病院は過当競争になりますが、開業には賃貸物件契約、高額な医療機器の購入、レンタルと手間がかかっていて、その後の評判を考えると簡単に場所を変える事も出来ません。

勤務医の苦労も絶えません。手術が始まれば連続十数時間勤務もざらですし、人手が足りなければ夜勤明けに日勤をしてまた夜遅くまで残業をするという事も多々あります。若い研修医のうちは安い給与でナースから経験不足をバカにされます。病院の世界は徒弟制度のようなものなので若くても中堅でも院長部長の命令は絶対です。年収は確かに高額ですが泊まりもあり拘束時間が果てしなく長いのです。人命がかかっているのでどんなに疲れていてもミスは許されず、医療過誤訴訟の可能性に怯えながら治療をします。

患者のわがままと健康管理業務の狭間に立たされる事も多々あります。薬を飲みたくない、飲み忘れる事が多いけどきちんと治療して欲しい、悪い生活習慣を変えずに治して欲しいと言われます。それに対して患者のために健康指導をすると患者はお客様だし医者もサービス業だろうと文句を言われる事もあります。

さて重労働から解放され、帰宅してやっと休もうかと思っても毎日トラブル続き、帰宅時間がわからない配偶者のためにパートナーはまともな会話をしようとする努力を諦め切っています。家族はとっくに寝ていて食事の準備もしてありません。コンビニで出来合いのお惣菜を買ってビールを傾ける頃にはすっかり就寝時間を過ぎています。