診療情報管理士は、現在のところ民間資格ですが、病院にとってはかなり大きな役割を担う重要な仕事で、資格の将来性が注目されています。その業務は簡潔に言えばカルテの管理をすることなのですが、カルテは病院にとって最大限の個人情報で、個人情報保護上も相当の注意を払って管理しなければならない文書です。医師が診察したカルテをただ収納して終わりというわけではありません。カルテは患者さんやその家族からの開示請求が可能で、適切に管理をされておらず、開示ができないということになると病院側の大きな責任になります。したがって適切に診療情報を保管するということは大切な業務なのです。
カルテは電子化されていることも最近は多く、電子化されたシステムの適切な管理も必要になります。電子カルテはそのカルテを見る権限がある専門職しか見られない個人情報であり、電子化されているから誰でも勝手に取り扱っていいものではありません。医療事故、医療過誤訴訟など医療現場は法律とは切り離せない関係にあります。したがって文書整理だけでなく、病院に来ている患者さんの疾患の種類や医学的な基礎知識を学び、その知識を診療録の整理に役立てる必要性があります。